FDAが閉経後女性の骨粗鬆症治療薬として新しい注射剤Prolia〔プロリア〕を承認
FOR IMMEDIATE RELEASE:2010年6月1日
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FDAが閉経後女性の骨粗鬆症治療薬として新しい注射剤Prolia〔プロリア〕を承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日(6月1日)、骨折リスクが高い閉経後骨粗鬆症女性の治療薬として注射剤Prolia〔プロリア〕(denosumab〔デノスマブ〕)を承認した。
骨粗鬆症は骨が脆くなり骨折を起こし易くなる疾患である。米国国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所によれば、米国における骨粗鬆患者の80%は女性である。50歳以上の女性の2人に1人が、生涯で骨粗鬆症による骨折を経験するとみられる。
骨折リスクが高い骨粗鬆症患者には、骨粗鬆症性骨折の既往のあるものや、複数の骨折リスクファクターを有するもの、あるいは他の骨粗鬆症治療薬による療法に失敗したか忍容性がなかったものが含まれる。Proliaは骨の破壊を減らし、骨密度と強度を増強するよう作用する。本剤の注射は6カ月ごとに1回が推奨されている。
「骨粗鬆症は有病率が高いために、公衆衛生にとって重大な懸案事項となっている。Proliaの承認に伴い、骨折を起こし易い閉経後骨粗鬆症女性は、新しい治療の選択肢を得られる」と、FDA医薬品評価第3室(Office of Drug Evaluation III)の室長であるJulie Beitz医師は述べた。
閉経後骨粗鬆症の治療におけるProliaの安全性と有効性は、60〜91歳の閉経後女性7,808名が参加した3年にわたるランダム化二重盲検プラセボ対照試験で実証された。この試験でProliaは、骨粗鬆症を有する閉経後の女性における脊椎、非脊椎、また股関節における骨折の発生を低下させた。
Proliaの一般的な副作用として報告されているのは、背部痛、四肢痛、筋骨格筋系疼痛、高コレステロール値、膀胱炎である。重篤な有害事象としては、低カルシウム血症(血液中のカルシウムレベルが低い)や皮膚感染症を含む重症感染症、皮膚炎、発疹、湿疹といった皮膚反応がある。
Proliaは骨回転を有意に抑制するが、このことは、顎を侵す重い骨疾患である顎骨壊死や非定型骨折、また骨折治癒の遅延の発生に関与していると考えられる。
Proliaはリスク評価・軽減方策(Risk Evaluation and Mitigation Strategy:REMS)を適用して承認された。それには、患者向け医薬品ガイド(Medication Guide)や、医療機関に対する薬剤のリスクと有効性の説明の実施も含まれている。
Proliaは、カリフォルニアのサウザンドオークスに拠点を置くAmgen社の子会社であるAmgen Manufacturing Inc.社が製造している。
骨粗鬆症についての情報は、米国国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)のページへ。
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岡田 章代 訳
榎本 裕(泌尿器科医)監修
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