FDA:ビスフォスフォネート剤で大腿骨骨折のリスクが高まる可能性
FOR IMMEDIATE RELEASE:2010年10月13日
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FDA:ビスフォスフォネート剤で大腿骨骨折のリスクが高まる可能性
添付文書の改訂で骨粗鬆症薬の長期使用によるリスクの可能性が追加記載される
米国食品医薬品局(FDA)は本日(10月13日)、骨粗鬆症を予防および治療する薬剤であるビスフォスフォネート剤を長期使用している患者で非定型大腿骨骨折リスクの可能性があることを患者および医療関係者に警告した。添付文書の変更および治療ガイドにこのリスクが反映される。[pagebreak]ビスフォスフォネート剤は骨粗鬆症患者の骨量減少を阻害し、骨粗鬆症性骨折(骨粗鬆症患者にとって痛みや入院、手術の原因となる骨折)が起こる確率を低下させることが示されている。一方、ビスフォスフォネートが原因であることは明確になっていないが、非定型大腿骨骨折は稀であるが重症の大腿骨の骨折であり、ビスフォスフォネート剤を服用している患者で主に報告されている。骨粗鬆症に対するビスフォスフォネート剤の最適投与期間は不明であり、これらの骨折例は同薬の5年以上の服用と関連している可能性があるためFDAはこの疑念を強調している。
添付文書の変更および治療ガイドでは、骨粗鬆症治療に承認されたビスフォスフォネート剤のみを対象としており、Fosamax、Fosamax Plus D、Actonel、Actonel with Calcium、Boniva、Atelviaなどの経口剤、これらのジェネリック製品、およびReclastやBonivaなどのビスフォスフォネート注射剤が含まれる。
添付文書の変更および治療ガイドは、Didronel、Zometa、Skelidおよびこれらのジェネリック製品など、ページェット病や癌、高カルシウム血症の治療に用いられるビスフォスフォネートには適用されない。
FDA医薬品評価センター新薬審査部の副局長Sandra Kweder医師は、「FDAは引き続き骨粗鬆症治療に長期間使用された場合のビスフォスフォネート剤の安全性および有効性についてのデータを審査する。当分の間骨粗鬆症に最適な治療法を決める際に有用なすべての安全性情報を患者や医療従事者に伝えることが重要になる」と述べた。
本日行われた警告は、FDAのビスフォスフォネート剤使用に関する安全性評価の継続および非定型大腿骨骨折の発生について発表した2010年3月10日の薬剤安全性情報に続くものである。以来FDAは米国骨代謝学会作業部会でまとめられたデータを含むビスフォスフォネートに関するすべての有用データを調査してきた。報告書では、添付文書に追加記載すること、骨折した患者をさらに確認、追跡すること、およびこれらの薬剤の使用が重篤であるが稀な骨折を引き起こすかどうか、またどのように引き起すのかを確認するため追加研究を推奨している。
FDAの評価に基づき骨粗鬆症治療用の全てのビスフォスフォネート剤の「警告」および「使用上の注意」欄が改訂された。またFDAは治療ガイドに追加記載して患者に骨折のリスクが高まる可能性をよく知らせることを要請する。
FDAは医療従事者に対し、ビスフォスフォネート剤服用患者に骨折リスクがあることを認識すること、およびビスフォスフォネートを5年以上服用している患者に関し、同薬の必要性を定期的に再評価することを勧告する。
骨粗鬆症のためビスフォスフォネート剤を服用している患者は、医療従事者から指示されない限り服用を中止してはならない。さらにビスフォスフォネート服用患者は大腿部または鼠径部に新たな痛みが生じた場合、医療従事者に報告し、大腿骨骨折がないか診察を受けるべきである。患者および医療従事者はビスフォスフォネート剤服用に伴う副反応をFDAのMedWatch有害事象報告プログラム(www.fda.gov/MedWatch または800-332-1088)まで連絡すること。
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西川百代 訳
辻村信一 (獣医学/農学博士、メディカルライター)監修
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