小児への不要な放射線被曝の低減に向けたFDAの提案/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年5月9日
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小児への不要な放射線被曝の低減に向けたFDAの提案
米国食品医薬品局(FDA)は本日、X線画像診断装置の新製品設計の際、製造元企業に小児の安全を考慮させる提案について意見公募を行うと発表した。FDAは指導計画素案にて、製造元企業がX線画像診断装置の新製品を設計する際、小児患者への使用について記載した取扱説明書を付けるよう推奨している。
同局はまた、製造したX線画像診断装置の小児患者に対する安全性と有効性を十分に証明することができない製造元企業に対し、小児への使用に対する警告のラベルを装置に貼り付けるよう提案している。
医療従事者が現在使用している装置を小児患者に対してより安全に使用できるよう、FDAは医療画像技術連合(MITA)を通して小児癌画像診断における放射線安全性連合(ARSPI)およびX線画像診断の製造元企業と協力し、小児に対する放射線使用の安全に関する教材を開発している。
FDAはさらに、小児向けX線画像診断検査に関するウェブサイトを開設し、電離放射線を使用した画像化の利益とリスクに関する情報、不要な放射線被曝を減らすための親と医療従事者向けのアドバイス、X線画像診断装置の製造元企業に関する情報を提供している。
指導、ウェブサイトおよび現行のARSPIやMITAとの共同作業は、2010年2月に開始された医用画像診断検査による不要な放射線被曝を低減する取り組みの一環である。
CT、X線透視検査、従来のレントゲン写真などのX線画像診断検査は、適切に使用された場合、小児と大人の両方における診断、治療計画、外科的介入に役立つ有益な情報を提供してくれる。同時に、この種の検査は患者を電離放射線にさらすものであり、このことは小児患者において特に懸念される。
電離放射線の線量単位ごとの発癌リスクは一般に大人に比べ小児患者で高く、また、小児患者は余命が長いため放射線被曝の影響が現れてしまう。さらに、大人向けに設計されたX線装置の設定では、体の小さい小児患者の場合、有益な画像を作成するために必要な放射線量を超える可能性がある。
「正しい診断や治療介入がもたらす利益と比べれば、医療として必要な画像診断検査のリスクは極めて小さいものです。検査を必要とする患者が、それを避ける理由はありません」と、FDA医療機器・放射線保健センターの所長であるJeffrey Shuren医師は語る。「親はレントゲン、CT、X線透視検査の利益とリスクについて子供の担当医と話し合うべきです。」
2012年7月16日に予定されているワークショップでは、産業界の関係者、X線画像診断装置の使用者(医師、放射線技師、物理学者など)、患者支援者を集め、FDAの指導計画素案について議論が行われる。
詳しい情報については以下を参照のこと:
Draft Guidance: Pediatric Information for X-ray Imaging Device Premarket Notifications
Public Meeting: Device Improvements for Pediatric X-ray Imaging
Pediatric X-Ray Imaging
Initiative to Reduce Unnecessary Radiation Exposure from Medical Imaging
Medical Devices
Radiation-Emitting Products
****** 寺澤多恵 訳
中村光宏(医学放射線/京都大学大学院医学研究科) 監修
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