FDAがメトトレキサート濃度が有害レベルに達した患者の治療にVoraxaze(グルカルピダーゼ)を承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年1月17日
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FDAがメトトレキサート濃度が有害レベルに達した患者の治療にVoraxaze(グルカルピダーゼ)を承認 – 化学療法剤の高い血中濃度を低下させる –
米国食品医薬品局(FDA)は本日、腎不全によりメトトレキサート血中濃度が有害レベルに達した患者の治療に、Voraxaze(グルカルピダーゼ)を承認した。
メトトレキサートは、癌の化学療法剤として一般に使用されている薬剤であり、通常は腎臓の働きにより体外へ排泄される。しかしながら、高用量のメトトレキサートを投与された患者は腎不全を発症する可能性がある。
Voraxazeは、メトトレキサートが体内から排泄されやすい形になるまで分解することで、迅速にメトトレキサートの血中濃度を低下させる酵素である。Voraxazeは患者の静脈へ直接投与される(静脈内投与)。
「高用量のメトトレキサートへ長時間曝露されることで、腎臓障害および肝臓障害、重篤な口内炎、腸粘膜の損傷、皮疹などが発症し、さらに血球数の減少により死に至る場合があります。Voraxazeは、メトトレキサートの高い血中濃度持続に関連する毒性を抑制することを目的とした、癌患者にとって重要な新しい治療選択肢であります」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。
Voraxazeは、希少疾患あるいは特定疾患患者への治療薬に与えられるオーファンドラッグ指定を受けている。
22人の患者を対象とした1件の臨床試験によって、Voraxazeの有効性が評価された。全患者にVoraxazeを投与し、投与から15分以内にメトトレキサートの血中濃度が危険限界値を下回り、その状態が8日間継続した場合に、治療が奏効したと判断した。患者22人中10人において治療が奏効した。全患者においてこの結果は達成されなかったものの、Voraxazeは全患者においてメトトレキサートの95%を排泄するに至った。
別の臨床試験によって、メトトレキサートの体外への排泄に支障がある290人の患者を対象に、Voraxazeの安全性が評価された。
臨床試験に参加した患者の1%以上において最も多く認められた副作用は、低血圧、頭痛、悪心、嘔吐、潮紅、および感覚異常(錯感覚)であった。
Voraxazeは、ペンシルベニア州West ConshohockenのBTG International Inc社が販売している。
詳細については下記も参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)
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栃木和美 訳
須藤智久 (薬学/国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)監修
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