FDAが骨髄異形成症候群の貧血にラスパテルセプトを承認
2020年4月3日、米国食品医薬品局(FDA)は、超低リスクから中等度リスクの環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)、または環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成・増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を有する成人患者に認められる貧血に対して、赤血球造血刺激因子製剤が有効ではなく、8週間で2単位以上の赤血球(RBC)輸血を必要とする場合に、ラスパテルセプト(販売名:REBLOZYL、Celgene社)を承認した。
有効性は、ランダム化多施設二重盲検プラセボ対照試験であるMEDALIST試験(NCT02631070)で示された。この試験には、環状鉄芽球を伴う、国際予後判定システム改訂版(IPSS-R)の定義で超低リスク、低リスク、中等度リスクの骨髄異形成症候群を有し、赤血球輸血が8週間で2単位以上必要な患者229人が参加した。患者はラスパテルセプト群とプラセボ群に2:1にで無作為に割り付けられた。すべての患者は、赤血球輸血を含む支持療法(best supportive care)を受けた。
環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)と環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS-T)における主要有効性評価項目は、第1から24週の連続する8週間における赤血球輸血の未実施による、赤血球輸血非依存性(RBC-TI)の患者の比率であった。
8週間以上の輸血非依存状態が確認された患者は、ラスパテルセプト群では153人中58人(37.9%、95% CI:30.2、46.1)、プラセボ群では10人 (13.2%、95% CI:6.5、22.9) であった(群間差24.6%、95% CI:14.5、34.6;p<0.0001)。
ラスパテルセプト群に最もよくみられた(10%超)副作用は、疲労、頭痛、筋骨格痛、関節痛、浮動性めまい・回転性めまい、悪心、下痢、咳、腹痛、呼吸困難、過敏症である。
ラスパテルセプトの推奨開始用量は3週間毎に1回1mg/kgの皮下注射である。投与前にヘモグロビン値を確認すること。
REBLOZYLの全処方情報はこちらを参照。
FDAはラスパテルセプトをオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)とファーストトラックに指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。
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