FDAが大細胞型B細胞リンパ腫にloncastuximab tesirineを承認
2021年4月23日、米国食品医薬品局(FDA)は、2ライン以上の全身療法を終了した再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の成人患者にCD19を標的とした抗体とアルキル化剤の複合体製剤である loncastuximab tesirine(販売名:Zynlonta、ADC Therapeutics SA社)を迅速承認した。適応症は、難治性の大細胞型B細胞リンパ腫であり、この中にはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、非定型低悪性度リンパ腫から発生したDLBCL、および高悪性度B細胞リンパ腫が含まれる。
今回の承認はLOTIS-2試験(NCT03589469)に基づくものである。この試験は2レジメン以上の全身療法終了後の再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または高悪性度B細胞リンパ腫の成人患者145人を対象とした非盲検単群試験である。患者はloncastuximab tesirine 0.15mg/kgを3週間ごとに2サイクル投与され、以降のサイクルでは、0.075mg/kgを3週間ごとに投与された。治療は疾患進行または許容できない毒性がみられるまで継続した。
主要有効性評価項目は、ルガノ分類(2014年)を用いて独立審査委員会が評価した奏効率(ORR)であった。ORRは48.3%(95%信頼区間[CI]:39.9~56.7)であり、完全奏効率は24.1%(95%CI:17.4~31.9)であった。観察期間の中央値は7.3カ月で、奏効期間の中央値は10.3カ月(95%CI:6.9~NE)であった。客観的奏効を達成した患者70人のうち、36%は奏効期間が3カ月以前で打ち切られた。
Loncastuximab tesirineを投与された患者に最もよくみられた(20%以上)有害反応は、臨床検査値の異常を含めて、血小板減少、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ上昇、好中球減少、貧血、高血糖、トランスアミナーゼ上昇、疲労、低アルブミン血症、発疹、浮腫、悪心、筋骨格痛であった。
処方情報には、浮腫や胸水、骨髄抑制、感染症、皮膚反応などの有害反応に関する警告や注意事項が記載されている。
Loncastuximab tesirineの推奨用量は0.15mg/kgであり、3週間ごとに2サイクル投与し、以降のサイクルで0.075mg/kgを3週間ごとに投与する。各サイクル(3週間ごと)の1日目に30分かけて点滴静注する。また、loncastuximab tesirine投与前日から3日間、デキサメタゾン4mgを1日2回、経口投与または静脈内投与する。
Zynlontaの全処方情報はこちらを参照。
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