News Note:第3相臨床試験にて進行前立腺癌に対する標準化学療法と治験薬併用の有益性示されず

NCIニュース 

ホルモン療法に不応性を示す前立腺癌患者を対象とした第3相臨床試験において、標準化学療法レジメンに試験薬(治験薬)atrasentanを追加投与した患者群では、同レジメンにプラセボを投与した場合と比較して、生存期間または無増悪生存期間の延長は認められなかった。これは、本試験で予定された中間解析に基づくデータ安全性モニタリング委員会(DSMC)による評価である。Atrasentanは、選択的エンドセリンA受容体拮抗薬(SERA)と称される化合物に分類される。SERA拮抗薬は、癌細胞転移への刺激に関与すると思われるタンパク質であるエンドセリンの作用に拮抗する。受容体拮抗薬は、受容体と結合してもそれ自体が生物学的反応を引き起こすことはないが、拮抗作用を介して反応を阻害または減弱させる。
本試験(進行ホルモン抵抗性前立腺癌患者を対象とした第3相試験S0421、ドセタキセルとAtrasentan対ドセタキセルとプラセボ)は、米国国立衛生研究所の一部門である国立癌研究所(NCI)の資金援助を受け、SWOG(元Southwest Oncology Group)をはじめ、その他のNCIが支援する複数の共同研究グループの参加により実施された。本試験で用いられたAtrasentanは、イリノイ州Abbot Parkに拠点を置くAbbot Laboratories社の同意のもと提供され、米国退役軍人局共同研究プログラム臨床薬学研究コーディネートセンターにより配布された。

翻訳担当者 酒井 伸茂

監修 北村 裕太(農学/医学)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

前立腺がんに関連する記事

米FDA、転移去勢抵抗性前立腺がん治療薬Pluvictoの適応拡大の画像

米FDA、転移去勢抵抗性前立腺がん治療薬Pluvictoの適応拡大

2025年3月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、lutetium Lu 177 vipivotide tetraxetan(ルテチウム[177Lu]ビピボチドテトラキセタン)(販売...
タラゾパリブ+エンザルタミド併用は前立腺がんの生存を改善の画像

タラゾパリブ+エンザルタミド併用は前立腺がんの生存を改善

ASCOの見解「TALAPRO-2試験では、タラゾパリブ(販売名:タルゼンナ)+エンザルタミド(販売名:イクスタンジ)併用療法を受けた転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の...
転移性前立腺がん患者の多くが推奨治療を受けていないの画像

転移性前立腺がん患者の多くが推奨治療を受けていない

ホルモンの供給を遮断することで制御できる転移性前立腺がん(ホルモン感受性前立腺がんまたは去勢感受性前立腺がんと呼ばれることが多い)について、2017年以来、治療に関する推奨事項は劇的に...
前立腺がんにおけるテストステロンの逆説的効果を解明の画像

前立腺がんにおけるテストステロンの逆説的効果を解明

デューク大学医学部デューク大学医療センター最近、前立腺がんの治療において矛盾した事実が明らかになった: テストステロンの産生を阻害することで、病気の初期段階では腫瘍の成長が止ま...